犯罪被害者のプライバシー尊重を求める会長談話(神奈川県弁護士会)

基調報告の続きを書こうと思いながら、日々の仕事に追われてなかなか書けずにおりますが、それはまた次にして本日は神奈川県弁護士会の会長談話のご紹介です。本当はもっと早くアップしたかったのですが。。。

本年11月17日、神奈川県弁護士会は、犯罪被害者のプライバシー尊重を求める会長談話を出しました。
http://www.kanaben.or.jp/profile/gaiyou/statement/2017/post-280.html
2015年3月にも、報道が過熱し犯罪被害者のプライバシーが一方的に奪われる状況に対して配慮を求める会長声明を出しています。
http://www.kanaben.or.jp/profile/gaiyou/statement/2014/post-207.html

2年半が経過しても、同じことが繰り返されていることに愕然とします。
名前や写真をはじめ、被害者のプライバシーが、当事者の同意もなく、場合によってはその意に反して、一方的に報道されています。
しかも、報道されていることが全て事実とは限りません。

マスコミが自宅周辺に押し掛けて、家から出られない状況になったら・・・
ふと点けたテレビで、自分や家族の写真や映像が容赦なく流れているのを目の当たりにしたら・・・
インターネットで虚実入り混じった情報が垂れ流され、名前や住所までさらされていたら・・・
個人を特定して、その尊厳を踏みにじるような書き込みが飛び交っていたら・・・
私だったら耐えられないかもしれません。
確かに犯罪には公共的な性格もありますが、だからといって、それまで普通に生活していた被害者の名前や顔写真、周辺情報も公にしていいと考えるのは乱暴だと思います。

(弁護士 天野康代)
2017.11.29