ゴメンナサイ。新人弁護士の採用予定はありません。

 このところ、司法修習生をはじめ、既卒の方からも「弁護士の採用予定はありますか?」という趣旨の問い合わせのお電話やお手紙をいただくことが何度かありました。こういうお問い合わせをいただくこと自体は何も問題がないのですが、「採用予定はないんですよね・・」とお断りしていると、なんだかこちらの方が申し訳ない気持ちになってしまいます。

 私の司法試験合格年度は、前年に比べて合格者が300人ほど増員された世代でしたので、弁護士の就職が厳しくなるのではないかとも言われていましたが、今に比べればまだまだ余裕があったのだと思います。それでも、募集要項を見て一次面接会場へ出向くものの、そこにいる申込者の数を見て競争倍率の高さに恐れおののき、難解なペーパーテストに打ちのめされ、面接では頓珍漢な回答を連発した挙句、〆の懇親会では少々飲みすぎてしまい、二日酔いのまま目覚めた翌日に猛反省するなんてことを何度も繰り返したことを覚えています。

 中には、エントリーシートとともに履歴書を送ったものの、面接まで至らないどころか、何の音沙汰もなく、送った履歴書もそのまま行方不明・・という大変悲しい事態もありましたので、お手紙でお問い合わせいただいた方については、採用予定はない旨のお断りの返事を欠かさず出すようにしています。ただ、頼み事を断るということが元来苦手な性分ですので、ご期待に添えないのが少々心苦しいです。

 そんな中、先日、一度だけ、手紙をいただいた方とお会いしました。横浜弁護士会の就業対策の委員をしている弁護士を巻き添えにして食事をしたのですが、結果は、就職に関する適切なアドバイスも出来ずに単なる飲み会と化してしまい、目覚めた翌日、二日酔いからくる頭痛をこらえながら猛反省する始末。結局、私は、就職活動していた時代からなんにも進歩していないのだろうかと、今回ばかりはホントに反省し・・。

(弁護士天野正男)


2015.02.06